年末から読んでいた本の感想です。
たしか少女を読んだ時に湊さんのはもういいやと思った筈なのですが、図書館に予約してあったみたいなので、贖罪も読みました。
基本的に告白と同じなんだな、と思いましたが、こっちの方が私は面白かったです。でもやっぱり人物造形が好きになれない。現実の人間にももちろん裏と表の顔があるのでしょうけれど、白黒二色にぱっきり分けるのと、濃淡ある灰色混ざってるのとじゃ全然違うんですよね。このひとの描き方は前者である気がします。登場する人誰一人、感情移入出来ない。
ガールズストーリーは、ごく安心して読める人情ものでありました。
江戸の町医者の娘、おいちちゃんは、なんとなく病人の訪れがわかるという特技があるのですが、あるとき、死人のものらしい声を聞いてしまう…という感じで始まります。おいちちゃんの出生の秘密とか、片思い中の職人さんの伏線が回収出来てないので、おそらく続編があるのでしょう。面白かったです。
小川一水さんの感想をあさっていてみつけた、地球移動作戦。山本弘さんのお話を読むのは初めてでしたが、とても面白かったです。
ひとつの面白い作品との出会いが、どんどん新しい出会いに繋がって行くとは、なんと素晴らしいことか!
お話の舞台は2083年。24年後に地球とごく近距離ですれ違う惑星の存在が解ったところから始まります。絶望的な状況で、破滅を回避するために行動する人々と、世界の物語。
序章の、破滅をもたらす天体を発見する場面でがっつり引き込まれました。些細な判断ミスが死に繋がる無慈悲さや、もう二度と故郷に帰り着けないとわかっても、出来る事を精一杯やろうとする意志の力。でもやっぱりどうしようもない恐怖と悲しさ。SFってやっぱり私にとってはひんやりと空気が冷たくて、おっかないもの。でも、なんでこんなに切なくて惹き付けられるんだろう、と涙しながら読みました。
主人公である魅波が一応はクローズアップされてますが、私は人間とおなじくらい、世界の動きが興味深かったです。ほんとにこうなるんじゃないかな〜という気がして。
件の天体が空に見える頃になっても「捏造だ」と聞く耳もたない人々の存在や、滅亡を受け入れる事を教義にしたおかしな宗教団体のテロ、地球移動作戦への資金あつめが提供を渋る国々によって難航する様子とか。
せっかくスター・システムが採用されてるというのに、これがはじめて読んだ山本さんのお話で、まったく楽しさが味わえなかったのが残念。
これから他のお話もおっかけますよ(`・ω・´)!
しかしこの未来世界、ボカロ好きの方にとってはまさに夢ですな。まかり間違ったら生きてるうちに実現しちゃいそうで怖いけど。
アントキノイノチは、まっさんが某プロレス選手の名前がタイトルになった本を出したときいて。
ひとに殺意を覚え、それを実行に移してぎりぎりで止める、というのを二度繰り返してから、精神のバランスをすこし崩してしまった少年が主人公です。
過去、彼に殺意を抱かせた元友人がどんな人間であったのか(最低かと思うたら二番底がありました、みたいな奴なんですが)という事と、現在彼が就く特殊清掃の仕事について、交互に描かれます。
読み終えて思ったのは、タイトルがおふざけみたいなのは、決して意味の無い事ではないんだなということ。登場人物のひとりが、どんなに真面目な話をしてても、ついふざけたこと考えちゃう、みたいな事を話して、これはそのときに発せられる言葉なんですが。
劇中で印象的な言葉だからというだけでなく、どんな酷い状況でも、どこかで笑いをもって、そうできる余裕をもって、生きて行こうよ、という励ましのような気がしました。うん、私もそう出来たらいいなあ、と頷きつつ、読了。
死神の精度は、前にどこかで映像化されたとき金城武がやってた気がするのですが気のせいでしょうか。間違ってても私の頭のなかではその姿で読んじゃったんですが。なので面白かったです。死神の性格が変なのもいい。
重力ピエロは、冒頭のジョーダンバットのエピソードがたいへん面白く、春のキャラクターに引き込まれて、ぐいぐい読んでいたのですが、最後が…。最後が、いや、そのオチでゆくのですか、思ってた通りでびっくりしないよ!という感じで、かくんと肩をすかされた感じでした。
ただ、お父さんの「俺たちは最強の家族だ」という言葉とか、ほんと所々鮮やかで、そういうところは大好きです。
…で、神林長平!
昨年出ていたなんてまったく気付きませんでした。
手元にあるだけで泣きそう。いやちょっと泣きました。
届いてしばらく勿体なくて読めなかったんですが、敵は海賊だけは今日読了。
短編の方がラテルたちがまともだよなあといつも思っていたんですが、やっぱりそれに理由があったというのがわかり、よし!という気持ちです。
最近、他人による解説ばっかりで、ご本人があとがきを書いている小説というのが少ない気がするのですが、神林さんのあとがきがよめて凄く嬉しかったです。だいすき!
そんなわけで雪風なのですが…。ほんと読めません。絶対読めない、もったいなくて。だって10年振りだぞ!
でも表紙超かっこいい…。ほんとかっこいい。指紋がつかないようにそーっと指を浮かせて撫で回しながら、うっとりしてます。読みたい。
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